16_05_02
1日目

ゴールデンウィーク突入5日目
HD-28仕上げます


依頼主はプロの方です
裕ちゃんこと鈴木裕さんです
細部は↓↓↓↓参照

http://kogumamusic.wix.com/yu-cyan


帯広でのライブの際にリペア依頼を受けました
正真正銘マーチンHD-28です

ボディーの塗装もクラックが入ってかなり年季が入っています

でもってリペア箇所といいますと

フレットがこんな感じです

これではまともな音が出ませんね
それではフレットの打ち直し開始します

その前に自前のフレットワイヤーのサイズを測っておきます
なるべく同じサイズのワイヤーを使います

クラウンの幅は概ね2mmです

クラウンの高さが概ね1mm

スチューマック製のワイヤーでほぼ同じ物がありました
ミデイアムミディアムでビンゴです

細部は後ほど

フレットを打ったあとにすり合わせもやりますので

ピックアップはすべて外しておきます

シールドジャックの本体も緩んでいますね
こいつも後で調整します

細部は後ほど

マーチンの内部を観察できるチャンスはそうそうないので
しっかりと撮影しておきます

ネックブロックにはしっかりとシリアルナンバーが刻印されています

1995年制です

トップのXブレイス部です

交差している部分にちゃんと布が張り付けてあります

それにしても美しいです

何とも言えませんね

さあ、前置きはさておいて
作業を進めていきましょう

まずはフレットを抜いていきます
指板を傷めないようにガードしながら喰いきりを使って少しずつ抜いていきます

うーん、この屑の正体は・・・・・

はい、硬化した接着剤です
なんでもフレットのうち替えを過去に3回ほどやっているということなので
先回打ち直した際に接着剤で固定したのでしょう

まあ、3回も打ち直せばそうなりますよね
さあ、すべて外しましょう

何と言うか・・・・汚い・・・・です

指板面をサンディングする前に指板のRを測っておきましょう

ゲージを使って測ります
指板Rは14インチRのようです

14インチRのラジアスブロックにサンドペーパーを張り付けて指板面を綺麗にしていきます

サンドペーパーは#400→#600→#800と進めます

さあ、指板面はご覧のようにきれいになりました

問題はフレットの溝です、なにせ接着剤で固定してあったので
溝には固着した接着座がたんまり残っています

その接着剤をこの道具を使ってかき出していきます

こんな感じでゴリゴリかき出します

結構接着剤の屑が出るものですね

全ての溝を綺麗にします

溝掃除も無事終わりました

それではフレットを打っていきましょう
使用するフレットはスチューマックのミディアムミディアム
まさに、もともと打ってあったフレットとほぼ同じサイズです

問題発生!

フレットを仮置きしてみたのですが
溝がへたって、タングの切り返しが食いつきません
溝幅が広くなっているようです

このままフレットを打っても浮いてきそうです
どうしましょう・・・・・・・・( ;∀;)

考え抜いた結果フレット溝の両端にエポキシを塗って溝幅を少し狭くすることにしました

使用したエポキシはオープンタイムが30分と長いタイプのものです
完全に硬化する前にフレットを打ってしまえばエポキシが硬化したときに
しっかりとフレットを固定してくれるはずです

ある程度硬化するのを待ってフレットを打っていきます

指板Rよりも少しきつめに曲げたフレットをカットして打ち込んでいきます

いつもは圧着するのですが今回は治具を使ってハンマーで打ち込んでいきます
さあ、フレットの食いつきはどんな感じでしょう

南無・・・・

食いつき状態は悪くありません

結構しっかりと食いついてくれました
んでもって全部打ち終わってます

いやー、食いつき悪かったらどうしようかと思いました
良かった良かった

今度は自作の治具を使ってフレットのエッジを削っていきます

こんな道具でも買うと高いです
自分で作れるものは自分の使いやすいように自分で作ります

職人魂です

私の場合フレットエッジの削り角度はかなり浅めです

理由はフレットエッジを球状に加工する関係上
角度を深めに削ると球状加工ができなくなるからです

今回もエッジは球状です

フレットがはみ出ていると違和感があるので
バインディング部分も少し削るくらいの勢いでサンディングします

塗料面まで若干削っています
この部分は後から綺麗に処理します

さあ、今度はすり合わせです

フレットにマジックで色付けをしてからすり合わせます
こうしておくと削れている部分とそうでない部分の区別がはっきりとするので
削り残しの心配がありません

いつものダイヤモンド砥石ですり合わせていきます

すり合わせ面の番数は#1000です
優しくなでるようにすり合わせていきます

一通りすり合わせ完了です
フレットの頂点部分にマジックが残っている箇所はありません

一応この段階で正しくすり合わさっているかゲージを使って確認します

このようにゲージが左右の縦方向に動かないことを確認します
良いようですね

今度はすり合わせで平らになったフレットの頂点をフレットファイルを使って丸くしていきます

左が処理済み、右が処理前

この微妙な違いが音の出具合に影響します
弦を平らな面でとらえるのと点でとらえるのでは大きく違います
おそらく点でとらえた方が音の立ち上がりというかアタックというか
少なからず音の出具合に影響があるのは間違いないと思います

全てのフレットのファイリングが完了しました

今度はエッジの加工です
当然球状に加工します!

このやすりなんですけど
実は自分なりに使いやすいように手を加えています
細部は企業秘密ってことで

ラフカットはこんな感じです

磨き上げると美しくなります
それにしてもこの作業をフレット数×2=40回やらなければなりません
結構時間のかかる作業です

頑張って進めましょう

あ〜らら、磨き終わってますね

写真撮るの忘れました

全てのフレットがピカピカです

気持ちが良いです
アコギではあまりチョーキングすることがないのでわかりにくいのですが
フレットの磨き方の良しあしでチョーキングした際の滑らかさがまるで違います
なので丁寧に磨き上げます

 

アップです

球状に加工した部分が美しいです
フレットの溝が酷いです!!

この余計な溝、何とかせにゃーいけません!!!

上の酷い穴をエポキシで埋めます

チョイスしたエポキシはオープンタイムが5分の物です
透明だと目立つので黒い粉顔料(顔料ってそもそも粉なんですけどね)
で着色してから使います

顔料はこの程度でよいでしょう

はっきり言って顔料の量は勘です
悪く言うと適当です、経験値で判断しております

さあ、混ぜ混ぜ完了

ここからは時間との闘いです
なにせ5分しか時間がありません
写真撮っている場合ではないですね

勝負!

ふうっ

硬化が始まる前にすべての穴ぽこにエポキシを充填することが出来ました
あとは完全硬化を待ってサンディングし、磨き上げるだけです

その作業は明日にします

今度は取り外したピックアップをもとに戻します

まずはシールドジャック部の本体です
この状態、問題ありです

ボディー側の太い部分が外に出ていると締めこむことが出来ません
なにせこいつを締め付けるナットは径が小さいほうのナットですので
この状態だと物理的に無理ですね

何が問題かというと、このナットの位置です
最初から子の位置ではなかったはずなのですが
弾いているうちに緩んでしまったのでしょう

このナットで本体の位置が決まりますので重要です
本来なら親指の爪の位置付近がナットの位置だと思われます

それではナットの位置を変えて仮組してみましょう

太い部分がボディーに隠れました

これで細い部分のナットでしっかり締めこむことが可能です

内側のナットが緩むと同じ事が起きてしまうのでナットをロックしておきます
同じナットがあればダブルナットで固定可能なのですが
あいにく同じサイズのナットを持ち合わせておりません
なので今回はロックタイトを使います

ねじロックです、書いてありますね・・・・

ロックの強度は中強度、乾いても力を入れれば回ります
このほかに強強度ってのがあるのですが、こいつは外すのかなりしんどいです
普通の小さな十字ねじならねじ山ナメってしまうくらい強烈です

ロックタイトを数滴たらしてナットを適正位置で固定します

乾くまで少し待ちましょう

はい、外側のナットを仮止めしてみました

まだ締めこんでいません、このナットを締めこむには本体を固定しなくてはなりませんね

それではサウンドホールから手を入れて本体を固定しましょう

オー・マイ・ガァーーーーッ!

手が入っていきません、本体に指が届きません
女性なら届くかもです

心配するなかれ

本体を中から固定しなくても良いように、外側に穴が開いているのです
穴にバーを通し(私はヘキサゴンレンチをぶっこんでますけど)本体を固定し
ナットを締めこむ、ってなわけです
ちゃんと計算されてデザインされていますよね

脱帽

それではガツンと締めこみましょう
使用しているスパナは通常のスパナの1/3ほどの厚さのスパナです
ギターつくりにはかなり重宝します
特にエレキギターのサーキット類の組み込みの際には活躍します

はい、がっちり固定することが出来ました

んでもってエンドカバーのナットも取り付け完了です
この、エンドカバーのナットはスパナで回すことが不可能なので
ロックタイトをしっかり塗って固定してあります

当HPをご覧の方からカバーナットの向きが逆さまだとのご指摘をいただきました

これが正しい姿です
Qさん、ありがとうございました

05_06 修正

中のワイヤーです

中で遊んでいるのでこのワイヤーも固定しましょう

どこにでもあるワイヤーのホールドです
両面テープが付いているあれです、あれ

今回はストックしてあったプラスチックの物を使っています
メジャーなのはアルミで出来ているやつですかね

っというか、サイド材に固定した方が良かったのでは・・・・
明日貼り直します

ネックブロック側にも固定しておきます

全部で3か所固定しておきました
これで中でワイヤーがカタカタ動くことがなくなると思います

明日付け替えるんですけどね・・・・・・・・・・・・・・( ;∀;)

 

さあ、本日の作業はここまでです
明日は仕上げます!!!!

実はまだリペアするギターが控えております

次回予告

仕上げます

【J50DXリペア】 【次へ】